だいたいは日々のなんでもないお話

日々の記録というか、忘備録。本が好きです。

『自然農という生きかた』

今週のお題「最近読んでるもの」 最近読んで良かった本はこれ。 川口由一、辻信一『自然農という生きかた』 (ゆっくり堂。23年9月) タイトルの通り、農業を営んでいる川口由一さんのお話を、辻信一さん(アクティビストであり文化人類学者)が聞くとい…

目とスマホ

わたしにとってもいまやスマホは眠っているとき以外はほんとに手放せないものと化しているように思う。だがしかし、あんまりスマホを使いすぎていると、目がしょぼしょぼしてくるというか、痛くなってくるというか、そんなような気がしていた。 スマホは目に…

スマホ見て本は無けれど読書の秋

最近の絶滅危惧種の絶滅の原因はスマホであることが多い。携帯電話は最近はスマートフォンと呼ばれているが、名前の通り基本は「携帯可能な電話機」であるから、これが普及すれば、その他の電話機が駆逐されるのは当然、時間の問題である。 実際、公衆電話は…

新酒飲み本を開けば夜も更けて

前回、大阪の小さな書店、隆祥館書店の二村さんという書店主の紹介記事について書いた。 kwsk.hatenablog.jp その記事には、こんな、小さな書店の抱える問題についての記述もあったのである。 「ランク配本という制度があります。本は取次という卸会社から各…

秋の雨本屋に入ればいつか晴れ

本日の『東京新聞』朝刊の「あの人に迫る」に、大阪の書店主が登場していた。わたしは仕事が本に関係する者なので、これは読まなくてはと思い、読んだところ、なかなかよかった。わたしにとってかなり感動的な内容であった。 記事のタイトルはこうである。「…

野のものは野に命ありて風薫る

わたしが最近読んで、とても良かったと思った本があるので、その紹介をしたい。 『命の意味 命のしるし』上橋菜穂子・齊藤慶輔著、講談社、2017年1月。 この本は、「野のものは、野に帰してやりたい」という言葉の意味を、それを物語という方法で考えてきて…

夏の空クマのプーさん浮かんでる

最近、知人に教えられて、ベンジャミン・ホフ『タオのプーさん』(平河出版社、1989年2月)を読みはじめた。 どういう本かというと、カバー袖にはこう書かれている。 「タオってなんだろ? くまのプーさんと仲間の動物たちが登場し、 著者といっしょに…

「蟻食べてツキノワグマは命あり」『人はクマと友だちになれるか?』の紹介

わたしは、きょうは、最近読んだ本の紹介をしようと思う。その本とは、これである。「イワサキ・ライブラリー」という子ども向けのシリーズの1冊である。漢字にはルビが付いている。 『人はクマと友だちになれるか?』 太田京子、岩崎書店、2004年7月。 「…

群れる鯵リーダーそれぞれの中にいて

わたしは最近、梨木香歩の『ほんとうのリーダーのみつけかた』を読んだ。 梨木香歩さんの本を読むのははじめてである。よく知られている本はきっと『西の魔女が死んだ』ではないかと思うのだが、わたしは読んだことがない。 さて、この本のカバーの袖には、…

夕立も うれしき本屋 いまは無し

「出版 3 社が丸紅と新会社設立に向け協議を開始 」というニュースを、わたしは、下記のブログで知った。出版3社というのは、講談社と、集英社と、小学館で、大手総合商社・丸紅と、出版流通における新会社を2021 年内の設立に向けて協議を開始したというこ…

いまや、本は古紙より価値が劣るの?

「あけくれ」という、『東京新聞』の読者投稿コーナーがある。本日の(21年4月30日)そのコーナーに、こんな事が書かれていた。60代の女性の投稿である。 (父の)残した大量の本があるが、まだ自分が元気なうちに身辺整理をしようと、美術関係の分厚い本を…

ネット上の文章

わたしは最近は、何かわからないことがあって、知りたいなと思ったときには、すぐにネット検索をしてしまうようになっているような気がする。少し前まではそんなことはなかったのだが、ここ1年くらいでそうなってしまった気がする。 以前に比べて、大抵のこ…

生わかめ

わたしは、今日、わかめを食べた。「わかめなんて、わたしは毎日食べているよ。味噌汁で」という方もきっといると思うが、わたしが今日食べたのは「生わかめ」である。宮城の南三陸町のカネキ吉田商店からの直送である。昨日採れたばかりのわかめを、クール…

高田宏臣『土中環境』

わたしが最近読んで、よかった本を紹介したい。 高田宏臣『土中環境』(建築資料研究社、2020年6月、税別2500円)である。 副題は「忘れられた共生のまなざし、蘇(よみがえ)る古(いにしえ)の技(わざ)」。 土中環境 忘れられた共生のまなざし…

税金を納める

わたしを含めほぼすべての国民は税金を納めている。消費税を納めていない人は自分で買い物をしない幼児くらいのものであろう。さてでは税金ってなんだろう。すぐにわたしの頭に思い浮かぶのは「義務」という言葉である。日本国憲法第30条にこうある。「国民…

絶滅危惧種〜紙の時刻表

今日のニュースで、「〈紙の時刻表〉廃止へ」というのを見た。最初は鉄道の時刻表のことかと思ったが、よく読んでみると、航空会社の時刻表のことであった。 news.line.me 全日空は、「〔紙の時刻表の〕廃止に伴い、年間1億5000万円のコスト削減につながり、…

植物化する人間

「オンラインという魔法の杖」という話を昨日のブログに書いた。 kwsk.hatenablog.jp その前々日くらいにニュースで、電通が本社ビルの売却を検討しているというという話を読んだことも、オンラインで確実に世の中が変化しつつあるんだなあという実感をもっ…

安野光雅さん

新聞記事で知ったのだが、画家の安野光雅(あんのみつまさ)さんが無くなった。昨年の12月のことだそうだ。 わたしは安野光雅さんのファンなので、年齢が年齢なだけに覚悟はしていたが、それでもやっぱりとても残念だ。絵ももちろんもう新しい絵が見られない…

こども冨貴堂

旭川市に行った時、こども冨貴堂という書店を訪ねた。名前の通り子どもの本専門書店である。絵本がいっぱい並んでいるのはもちろんだけれど、大人の本もちゃんとあって、いろいろとついつい手にして長居してしまった。そんなに広くはなく、並んでいる本の数…

畑瀬英男『竜宮城は二つあった―ウミガメの回遊行動と生活史の多型』

会社から『うみがめぐり』(かわさきしゅんいち文・絵)という絵本を出したことから,ウミガメのことが気になって,最近,ウミガメの本を探して読んでいます。 最近見つけた本,畑瀬英男『竜宮城は二つあった―ウミガメの回遊行動と生活史の多型』を読み終わ…

人間の細胞数

人間は60兆個の細胞でできているといろんなところで読んだ気がするのですが、 いま読んでいる本にはこうありました。 「私たちの体は、非常に厳密なやり方で組み立てられた約二兆個の細胞のまとまりである」 わたしの体の細胞の数は一体何個なんだろう? そ…

山田健『水を守りに、森へ―地下水の持続可能性を求めて』筑摩書房、2012年1月

著者の山田健(たけし)さんは、サントリーの社員です。会社の仕事として、森作りを進めている方が、その経過を書いた本です。 カバー袖にはこう書かれています。 「日本は水の豊かな国だと思われているかもしれない。しかし、それは幻想にすぎない。その水…

山本義隆『原子・原子核・原子力』(2015年3月,岩波書店、2200円)

山本義隆さんの『原子・原子核・原子力――わたしが講義で伝えたかったこと』,とってもいい本でした。 数式とか出てきますが,それを読み飛ばしても大体のところは理解出来ました。歴史を追って基本からていねいに解説してくれているのが嬉しいです。なんとい…

糸井重里・ほぼ日刊イトイ新聞『できることをしよう。―ぼくらが震災後に考えたこと』(新潮社、2011.12.15)を読んだ。昨年3・11の大震災のあとにこんなふうに動いた人々がいるという話です。クロネコヤマトの社長とイトイさんの対談などが収録されています。

八木啓代『危険な歌ーー世紀末の音楽家たちの肖像』(幻冬舎文庫、1998年10月)を読みました。

本の後ろ表紙に載っている宣伝文句はこうです。 「キューバ革命からペルー大使館人質事件まで、政情不安と経済難にあえぐ中南米の国々。しかしその一方で、ステップを踏んで人々は歌う。彼らにとっての歌とは癒しなのか、それとも武器なのか。メキシコ、キュ…

八木啓代(やぎのぶよ)さんの『ラテンアメリカくいしんぼひとり旅ーーお手軽エスニック料理をあなたに』(光文社文庫、2000年1月2000年1月)を読みました。(2010年11月読了)

いやー、ラテンっていいですね。とっても楽しく読めました。 女ひとり旅の私的エッセイなはずなのに、秀逸なラテンアメリカ案内になっています。なんて言うとちょっと褒めすぎかもしれないが、ラテンアメリカ人気質とラテンアメリカの料理のことを知りたい方…

アマゾンの「キンドル」が日本でも買えるようになりました。そして,1か月ほど後には,アップルの「iPad」が発売になるというので,今年2010年は,電子書籍元年になるだろうと,出版業界では騒がれています。もちろん,わたしもその騒いでいる一員です。

そして渦中の一人として,今年,これからどうなるのか大変楽しみにしています。 ただ楽しみに待つだけでなく,いまの時点でのわたしの考えていることを,(自分用のメモとしてですが)書き留めておきたいと思い,書いてみました。目次 電子本騒ぎ/電子本と…

駅前で地域情報紙を配っていた。

自宅で購読している新聞にもいつもチラシと一緒にはいってきている物なので,わたしは受け取らなかった。けれど,最近は若い人たちが新聞を購読していないらしい。そんな若者に読んでもらいたければ,これからはこうやって路上で配るしかないのかな? それと…

「物としての本 装丁家が提起」というタイトルの記事が『日本経済新聞』2010年2月9日夕刊に載っていました。

「押し寄せる電子化の波にあらがうかのように,装丁家たちが,丹精込めた「紙の本」を代に送り出す」 ということで,小学館の『東と西1』や白水社の『戦争と美術と人間』が取り上げられていました。この本はそれぞれ,装丁家の池田進吾と司修が手がけている…

中沢新一・波多野一郎『イカの哲学』(集英社新書,2008年2月20日,本体680円)を読みました。

書名の「イカの哲学」ってなんだろう? と思って手にとってみたのですが,この書名からは中身を想像できず,読むべきかどうか一瞬悩みました。 が,そういえば最近『プルーストとイカ』という本も出ていたよな,と思い,「イカ」にひかれて買ってみました。…