わたしは、再生可能エネルギーのことをこれまでに何度も書いてきた。基本的には、わたしは再生可能エネルギーには大賛成である。
その、再生可能エネルギーの一つに、「バイオマス発電」というものがある。「バイオマス」というのは、化石燃料以外の生物(バイオ)由来の再生可能資源のことで、そういう物を燃やすなどして蒸気などを作り出し、それでタービンを回して発電する発電方法のことである。
再生可能資源を使って発電するので、再生可能エネルギーである。日本には木がいっぱいあるので、建築材として使えないような、たとえば間伐材などを燃やして発電するのが、日本においてのバイオマス発電の主流だろうと、わたしは思っていた。
それはそれで、発電量の確保のために、木を伐りすぎてしまうという問題が起きる可能性があると思うのだが、それよりも、効率最優先のために、わざわざ遠くの熱帯林から燃やすための木材を運ぶというようなことも起きるかもしれないと思うのである。
じっさい、パームヤシの実からパーム油をとった後の「ヤシの殻」を燃料に用いると、油が残っているのでとてもよく燃えて、効率がいいのである。
しかしである、わざわざ東南アジアの熱帯雨林などから燃やすために運んでくるというのは、どうなのであろうか。それで採算が取れて、発電会社が利益を出せるからいいのではないかと思われるかもしれないが、わたしはどうも、それでよしとは考えられない。パームヤシを求めるということは、熱帯雨林の破壊にほかならないし、それを日本まで運ぶためのエネルギー消費だってばかにならないはずである。お金の問題だけではないと思うのである。