だいたいは日々のなんでもないお話

日々の記録というか、忘備録。本が好きです。

上野千鶴子「性の二重基準と女の分断支配」

紀伊國屋書店のPR誌『scripta』2007年秋号を読んだ。
その中に,
上野千鶴子「性の二重基準と女の分断支配」
という文章があったのだが,そこにこんなことが書かれていた。
「人種は階級とも結びついている。
最近の人種研究のなかでは,ジェンダーと同じく「人種」も歴史的な構築物であることは常識となってきた。……人種とは(それを発明した)白人種たちが,「白人でない者」を排除することで,「白人であること」を定義するための装置だったことは,白人研究のなかで次々とあばかれてきている。「白人であること」とは,劣等人種を支配してもよい資格を持つことだった。歴史的にいえば,「人種」という概念は,帝国主義の世界支配のイデオロギーとともに誕生したのである」

いわゆる「常識」と思ってきたことが,じつはそんなに古くからの考え方ではなかったということがままあるような気がするのだが,この「人種」という概念も,当たり前のように思いこんでいたけれど,じつはそんな当たり前のことではなかったのかもしれないですね。