だいたいは日々のなんでもないお話

日々の記録というか、忘備録。本が好きです。

三浦雄一郎さんのことば

2008年6月30日(月)の『朝日新聞』朝刊の広告に,今年の5月に75才で再びエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎さんの話が載っていた。
そのなかで,こんな風に語っていた。
「何のために長生きしたいのか,健康の先に何を見たいのか。目標がはっきりしていないと,私はただの怠け者になってしまうんです。……それ自体を目的にしてもモチベーションが上がらない。だから結局,だらだらと毎日を送る。正直,生きている気がしませんでした。……気がついたら入院レベルの肥満体でした。いくら医者に注意されても養生しようという気になれない。子の年齢で(60才のころ)いまさら何のために,という虚しさがあったんでしょう」
そんなときに,雄一郎さんの父は99才にしてモンブラン滑走に成功したりしたのを見て,これではいけないと,エベレスト登頂の目標を立てて,ほぼ10年後の75才にして見事にその目標を達成したということです。

この「健康,それ自体を目的にしてもモチベーションが上がらない」というところは,本当にその通りだと思います。私は定年までにはもうちょっと間がありますが,子どもが成人し,仕事という目標もなくなったときに,人は何を目標に,健康でいたいと思うのだろうかということは,いまから気になることであります。「何もしないで,ただ健康でいることを目標にはしたくないな」と何となくは思っていたので,この三浦さんの言葉に引きつけられたのです。ほんとうにその通りだと思います。
わたしももし目標もないままに定年を迎えたら,60才当時の三浦さんのように,美味しいものを求めて食べ,飲み,だらだらと過ごしてしまいそうな気がします。そうならないためにどうしたらいいのか,今からもう考えていたいと思います。


野口健さんのことば
またまた新聞なのですが,2008年6月28日(土)の『朝日新聞be』の「フロントランナー」欄に「地球の異変 山から呼びかけ」というタイトルで,登山家の野口健さんが登場していました。
環境問題についてこんな風に語られています。
「環境問題イコール政治なんですよ。問題の相手は自然じゃなくて,人間社会なんですから。……そもそも政治活動は政治家だけのものではなく,市民のものです。……政治家にとってどういうメリットがあるかを考えて提案し,舞台を用意することも大事なんです。NPOも行政も政治家も一緒に環境を守る仕組みを作らないと。みんなを巻き込むのが僕の仕事です」

最初の「環境問題イコール政治なんですよ。問題の相手は自然じゃなくて,人間社会なんですから」の一文には「おおっ」とうなってしまいました。いや,考えてみるとほんとうにその通りだと思ってしまいました。それまでは,なんとなく「環境問題というのは,自然と人間との間の問題だ」というように思いこんでいるところがあったなと思います。でも,実際に環境問題に取り組んで何かしようとすると,確かに周りの人間や役所に動いてもらわないと何もできないということになるわけですから。