だいたいは日々のなんでもないお話

日々の記録というか、忘備録。本が好きです。

映画「おくりびと」を見た

今日は祝日でお休みだったので,実に久しぶりに映画を見に行った。「おくりびと」という映画でした。
ひょんなことから納棺師になった若者の話です。納棺というのは,死んだ人をきれいにして棺桶に入れてあげる作業をする人です。
昔は死んだ人の家族がそういうことをしていたのでしょうが,だんだんとしなくなって,専門にするプロの需要が生まれたと言うことなんでしょう。私はこの映画を見るまでは,そんな専門の仕事があるとは知りませんでした。
私の父がわりと最近死にましたが,顔を拭いたりしてくれたのは介護に来てくださっていた看護婦さんでした。

さて,映画のホームページにはこんな宣伝句が書かれています。
「納棺師(のうかんし)―それは、悲しいはずのお別れを、やさしい愛情で満たしてくれるひと」

たしかに,映画はそのとおりです。遺族の前で,布団の上に横たわっている死んだ人を,きれいに拭いてあげて化粧もしてあげて,そして,棺桶に入れてあげるまでをやる仕事です。その作業を見ながら,遺族は死者のことに想いをはせるのです。そういう時間はとってもいいものなんじゃないかな,としみじみとおもいました。
じっさい,遺族にはとても感謝されるんです。が,世の中の人からは,けがらわしいとみられている職業でもあります。映画の中でも,夫の仕事の内容を知ってしまった妻は実家に帰ってしまいます。まあそれがふつうの反応なんでしょうね。と思います。
しかしこの主人公はなぜかこの仕事が気に入ってしまいます。だから妻が「やめないのなら実家に帰る」と言ってもやめないで続けます(一度はやめようとするのですが)。なぜやめないのか,それは一度映画を見ただけではわかりませんが,その理由の一つは,「ひとに(遺族に)とっても喜ばれる仕事」だからだとおもいます。ひとが働く理由ってそのことがとても大きいとおもうのでう。

主人公を演じるのは本木雅弘さんで,その妻は広末涼子さん。そのまわりに出てくる人がまたいいのです。吉行和子さんに余貴美子さん,そして笹野高志さんと山粼努さんなどです。わたしの好きな俳優さんばかりです。
内容はそんなに明るい映画ではありませんが,しみじみとなみだもでてきますし,働くって言うことを考えさせてもらえます。結末は暗くありません。