だいたいは日々のなんでもないお話

日々の記録というか、忘備録。本が好きです。

本紹介、石田千『役たたず、』(光文社新書、2013年3月20日)

「使えない」という言い方というか、人に対する評価の表現がどうも好きになれない。石田千の『役たたず、』(光文社新書、2013年3月20日)という本を読んだせいとは思わないが、「使えなくったって良いではないか」と思ってしまう。で、この『役たたず、』を読んで、ますますその思いを強くしてしまった。人間、役に立たなくてもいいではないか。

あ、でも、この本がそんなことを主張しているというのではありませんので誤解しないでください。エッセイ集なので、基本、著者の石田千さん、1968年生まれの女性エッセイスト、小説家の、日常生活の姿が綴られています。それと、そんな暮らしの中で石田さんが日々考えていることが徒然と語られているわけです。

この石田千さんのエッセイが、読むひとになんらかのやすらぎや満足をたぶん与えてくれているのでしょうから、「役たたず、」という題名はちょっと可哀想な気もしますが、わたしのように、「使えなくったっていいじゃないか」と日ごろ思っている人間の手にとらせる役には立っているような気がします。

 

 

役たたず、 (光文社新書)

役たたず、 (光文社新書)