わたしは、きょう、人生で初めて「マグロ納豆」というものを食べた。
わたしは、発酵食品はだいたい好きなのである。ぬか漬けも、キムチも、味噌も、ヨーグルトも、チーズももちろん大好きである。日本酒もワインも好きであるがこれはちょっと違うのかな。ところが、納豆だけは、こどものころにお目にかかったことがないせいであると思うのであるが、だめなのであった。いわゆる食わず嫌いというやつである。
それなのに、どうして今頃になって食べているのかというとである、新型コロナのせいなのである。おかげであると言ったほうがいいのかな。
じつは、自然農(?)を実践している方のブログで、「発酵食はウイルスに強い」というような仮説の書き込みを読んだからなのである。まあひょっとしたら、わたしが勝手にそのように読んでしまったというだけのことなのかもしれないのではあるが、 なんとなく納得してしまったのである。そこで、早速実践というわけで、これまでほとんど拒否してきた「納豆」を突然食べ始めたというわけである。
その「納豆などの発酵食ウイルス撃退仮説」というのは、わたしが受けとった理解はこうである。「世界の国ぐにの、新型コロナウイルスでの死亡率が高い国とそうでもない国というのがかなりはっきりと別れているが、そうでもない国は、ほぼ発酵食を食べている人の多い国である」という仮説である。しかし、わたしはそのブログを読んで詳細を調べたわけではないので、ひょっとしたら全然的はずれな仮説である可能性もあるのではあるが、基本的に発酵食の好きなわたしであるので、ついつい飛びついてしまったというわけである。うーむ、なんとなくアメリカやブラジルやイタリア、イギリスなんかには、発酵食が、チーズくらいしかないような気がするので、というくらいの根拠でしかないのではあるが。そういえば、それならば日本の県別の新型コロナでの死亡率が高いのはどこなのであろうか。それと納豆食の普及率の関係はどうなのであろうか。調べてみたことはないのであるが、気になるなあ。
まあ、そんなわけで、仮説が万一的はずれであったとしても、納豆やキムチを食べすぎて体を壊すなんてことにはならないであろうし、なんたってわたしは発酵食品が好きなのであるから、まあいいではないかというわけで、この仮説に乗っかることにしたというわけである。
それで、よし、いままで以上に、ぬか漬けを食べるぞ! キムチだっていっぱい食べてやる! キムチチャーハンも大好きだし〜! と決意していて、ふと、ということは納豆だって効くのではないか? と思い至ってしまったのである。となると、いよいよわたしも、そろそろ納豆というものを食べられるようにならないといけないのではないのだろうかと思ってしまったのである。もともと納豆が好きな人にはこの気持ちはわかっていただけないかもしれないと思うのであるが、けっこう決心するには力が必要なのである。今回その力は、新型コロナウイルスに負けたくないという気持ちであった。だから、コロナのおかげといえばおかげなのである。
そういうわけで、いまやわたしは、納豆をしっかりと食べる人間になってしまったのである。納豆にはしっかりとネギや辛子をまぜて、できることならば卵なんかも入れて、醤油もしっかりとかけて、そうしてしっかりとまぜてまぜて食べているのである。食べてみるとなんと食べられるのであった。においはいまでもちょっと苦手ではあるが、それもそのうち慣れるに違いないと思う。なんといっても、人間は慣れる動物であるのであるから。
もっとも、わたしが本日、はじめて食した「マグロ納豆」に関していえば、そんなに美味しいとは思えなかったのである。納豆と一緒に食べたからといって、マグロがマグロだけを食べたときよりも美味しくなったとは思えなかったのである。ちょっと残念であった。ひょっとしたらわたしの食べ方がまずかったのかもしれないのであるが、納豆は、わたしは、やはり、ご飯にかけて食べるのが美味しいような気がする。
といってもまだまだ納豆初心者の感想にすぎないのである。これからも納豆をいっぱい食べて、納豆の美味しい食べ方も研究しつつ、新型コロナウイルスも撃退できるのであるとしたら、こんなにうれしいことはないのである、と思うのであった。